日常生活で欠かせない給湯器。
お風呂やシャワー、キッチンでのお湯の使用に欠かせない存在ですが、最近では給湯器の故障が増えていると聞きます。
その原因の一つとして考えられるのが、水道水に含まれる【塩素】です。
この記事では、水道水に含まれる塩素が給湯器にどのような影響を与えるのか、そしてその対策について詳しく解説していきます。
塩素とは?
まず、塩素について簡単に説明しましょう。
塩素は、強力な殺菌作用を持つ化学物質であり、水道水の浄水過程で使用されます。
水道水に含まれる微生物や細菌を除去するために、塩素は非常に効果的な手段として利用されています。
しかし、この塩素が給湯器に悪影響を及ぼすことがあるのです。
参考記事:水道水の危険性!塩素が入っていると体にどんな害があるの?
給湯器に対する塩素の影響
給湯器がどのようにして塩素の影響を受けるのかを理解するためには、まず給湯器の構造について知る必要があります。
給湯器は、水を加熱するためのパイプやタンクを持ち、その内部は金属製でできています。
塩素は、金属を腐食させる性質があります。
これが給湯器のパイプやタンクに影響を与えることで、以下のような問題が発生します。
1. 金属の腐食
塩素は金属を酸化させ、腐食を引き起こします。
これにより、給湯器のパイプやタンクが劣化し、最終的には穴が開いたり、破損したりする可能性があります。
2. パッキンの劣化
給湯器内部には、さまざまなパッキンが使用されています。
これらのパッキンは、塩素によって硬化し、劣化が進むことで、漏水や機能不全を引き起こすことがあります。
3. 熱交換器の損傷
給湯器の心臓部とも言える熱交換器も、塩素の影響を受けることがあります。
塩素が原因で熱交換器の表面にスケール(スケール形成)が発生し、熱効率が低下することがあります。
塩素による給湯器の故障事例
ここで、実際に塩素による給湯器の故障事例をいくつかご紹介しましょう。
事例1:パイプの腐食
ある家庭では、給湯器の使用開始からわずか3年で給湯器が故障しました。
調査の結果、内部のパイプが塩素によって腐食し、穴が開いていたことが判明しました。
事例2:パッキンの劣化
別の家庭では、給湯器からの漏水が発生しました。
原因は、塩素によって劣化したパッキンが原因で、水が漏れ出していたことでした。
事例3:熱交換器のスケール形成
さらに別の家庭では、給湯器の温度が安定しなくなり、調査したところ熱交換器にスケールが形成されており、塩素がその原因であることが分かりました。
給湯器を塩素から守る対策
では、給湯器を塩素の影響から守るためにはどのような対策を取れば良いのでしょうか?
1. 浄水器の設置
給湯器の手前に元付け浄水器を設置することで、水道水中の塩素を除去することができます。
これにより、塩素による腐食や劣化を防ぐことが可能です。
2. 定期的なメンテナンス
給湯器の定期的な点検やメンテナンスを行うことで、早期に問題を発見し、対処することができます。
特に、パッキンの交換やパイプの点検は重要です。
3. 高耐久性の給湯器の選択
塩素に対する耐性が高い材質を使用した給湯器を選ぶことも一つの方法です。
特に、ステンレス製のパイプやタンクを持つ給湯器は、塩素の影響を受けにくいです。
4. 水質のチェック
自宅の水道水の水質を定期的にチェックすることも重要です。
水質検査を行い、塩素濃度が高い場合には、適切な対策を講じることが必要です。
給湯器の寿命を延ばすために
給湯器は高価な設備であり、その寿命を延ばすことは家計にも優しい選択です。
以下に、給湯器の寿命を延ばすためのポイントをまとめます。
1. 適切な温度設定
給湯器の温度を適切に設定することで、過熱による劣化を防ぐことができます。
一般的には、50度程度が推奨されます。
2. 定期的な洗浄
給湯器内部のスケールや汚れを定期的に洗浄することが重要です。
これにより、熱効率を維持し、故障のリスクを低減できます。
3. 使用状況の見直し
給湯器を無理なく使用することも大切です。
連続使用を避け、適度な間隔で使用することで、給湯器への負担を軽減できます。
まとめ
水道水に含まれる塩素が給湯器に与える影響は無視できません。
適切な対策を講じることで、給湯器の寿命を延ばし、快適な生活を続けることができます。
浄水器の設置や定期的なメンテナンスを怠らず、大切な給湯器を長く使い続けるために、日々のケアを心がけましょう。
皆さんの給湯器が長く快適に使用できるよう、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。